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あれから数日が過ぎて。
けたたましいベルの音。 ざわざわとぼくを取り巻く、たくさんの人の声。 「怜侍くん」 名前を呼ばれ、振り返ると眉を寄せてぼくを見る女の人がいた。 「大丈夫、です…」 口がうまく動かない。けれど無理に開いて、たどたどしく返事をした。 「さ、行きましょうね」 ぼくが頷くのを見届けて、彼女は改札口へと歩き出した。
お父さんが死んで、ぼくはこの街から出て行くことになった。
ガタン、ガタン… 「怜侍?」 頭に触れる、体温。 「大丈夫か?もう少し、我慢できるか?」 暗い空気の中、聞こえる声。お父さんの声。 (駄目だよ、お父さん) 「すぐに誰か来てくれるから。我慢できるな、怜侍」 両手を、暖かい温度が包み込む。 (ぼくに、触っちゃ駄目だよ) 「怜侍」 ぼくが、この手でお父さんを撃ってしまうのに…! お父さんの手が離れたと同時に、ふと触れた固い重い感触。 (ぼくのおとうさんから…) 一瞬で空気を引き裂く、一発の弾丸の音。
電車の揺れに促され、ぼくはいつしか眠りに落ちていた。 (もう一度眠ったら、またお父さんに会える…?) ずっと眠り続けたら、あの夢の続きは見れるのかな。 逃してしまった眠りの気配を、目を閉じて追う。 けれども、それは難しくて。 ぼくはどこにも逃げれないんだ。 「……痛い…」 手を開いてみると、くしゃくしゃになった切符があった。 お父さん、ぼくはもうベンゴシにはなれないよ。
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不幸のどん底みったん。 この話を書くため、1-4話を再びやってみましたがまだ途中。 母親って出てきてないよね…? いつ豪パパに拾われた(←語弊あり)んだろう。 |
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