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♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

耳につくのは、聞いたこともないクラシック。
複雑に交差する音に、最近の携帯電話の機能はすごいな、と感心しつつ。

(いやいやいや)

お得意のつっこみも、する場所を間違えては意味がない。今、ぼくがつっこむべき所は……

「御剣」

シャツのボタンを外しながら、ぼくに覆いかぶさる男の名を呼ぶ。
奴は手も止めず顔だけ動かし、ぼくを見上げた。

「何だ」
「何だじゃないよ。電話出ろよ」

こうして会話している間も、奴の携帯電話は持ち主を呼び続けている。

「今取り込み中だ」
「別に取り込んでないよ!」

手足をバタバタと動かし、御剣の身体の下から逃れようとした。
数秒あがいた後、ぼくはがっくりと肩を落とす。
ぼくひとりが汗をかいただけで、御剣は涼しい顔してぼくの何もない胸に顔を埋める。

(2センチしか身長は変わらないのに、どうしてこんなにもこいつは重いんだ…)

携帯電話はしばらく沈黙した後、再び華やかな音を奏で始めた。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

「仕事の電話だったらどうするんだよ!」
「また後で掛けなおしたらいいだろう」

そう言った後、御剣は舌を出してぼくのわき腹を舐め上げた。

「………ッ!!」

ぞくぞくっと身体を駆け巡る感覚。頭の奥で何かが切れた。

「電話に出ろって言ってんだろーっ!!!」

拳を作って、遠慮なく額を殴りつける。
床を張って携帯電話に手を伸ばし、くらえっ!と言わんばかりに投げつけた。
携帯電話を見事にキャッチした御剣と、ぼくの身体がやっと離れる。
仰け反った御剣が、ぐらりと身体を戻した。額を赤くして、無表情でぼくを見る。

(こ、怖い……!!)

目が合った途端、ぼくは悲鳴を上げそうになった。少し乱れた前髪が恐ろしい。
でも、ここでひるんでしまったら最後だ。法廷さながらに睨みつける。

「電話に出るまでぼくに触るな」

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

じっとにらみ合うこと数分。 軽やかな着信メロディが険悪な二人の間に割って入った。
御剣はあくまで優雅に、ボタンを押して電話を耳に当てた。

「私だ」

(か、勝った……)

ほっと息をついたのもつかの間。 じり、とにじり寄る御剣に腕を取られてしまった。
そのまま、首筋を撫で上げられる。

「!!」

勢い良く御剣を見て、何事かと睨みつける。すると御剣は嬉しそうに、その整った顔を歪める。

「糸鋸刑事か。どうした?」

片手に電話を持ちながら、器用にぼくの胸をいじり始めた。

「………………!!!!」

ぱくぱくと口を動かし、目で抗議する。この至近距離だ。
声を出したら電話の相手に聞こえてしまう。

「証人が見つからない?そんなことでいちいち私に電話してくるな」

ぼくの抗議を無視して、御剣は指で肌の感触を確かめるようにじっとりと撫でる。
ふたつの敏感な場所を触れるか触れないか、微妙なところで動きを止め──

「………っ…!……ちょ、……」

思わず声が出そうになって、唇を噛む。

「被告の同僚がもう一人いただろう…そうだ、事件当時に残業していた男だ」

目が合うと御剣はにやりと笑う。顔を真っ赤にして睨んでも、全然こたえてないみたいだ。
乱暴に胸の突起を掴まれ、身体が揺れた。

「珍しく物分りがいいな、糸鋸刑事」

もうだめ、限界、と首を何度も振る。気を抜いたら声が出てしまう。
言葉が途切れた瞬間、御剣はそっとぼくの額にキスをした。
その様子が思いのほか優しくて、ほっと力を抜いた瞬間。

─────あッ!」

触れてもいなかった、熱くなった下半身をズボンの上からいきなり掴まれて。
急いで口を閉じたけど、もう意味がない。
あまりのことに涙が出そうになる。半泣きになって、御剣の顔を見た。

「…………クックックッ」
「!!」

いきなり笑い出した御剣の反応に、息が止まるかと思った。
驚きのあまり、何も言えないぼくに携帯電話を差し出した。

「……すまない。電話はもともと取ってなかったのだ」
「!!!!!!!!」

驚きと怒りのあまり、目の前が真っ白になった。気が緩んだのと相成って、涙が溢れ出す。
口元に手をあて、面白くてたまらないという表情の御剣を殴ろうと右手を上げた瞬間。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

「すまない、今度こそ本当に出ないと怒られそうだな」

笑いをかみ殺しつつ、携帯電話を耳に当てて話をし始めた。
どうやら今度は本当にイトノコ刑事かららしい。
脱がされたシャツを胸の前でかき集め、ぎっと御剣を睨み続けた。

(コイツ……コイツは!!!)

怒りと驚きの中、未だ呆然とする頭の片隅に突如、この男に仕返しする方法がぱっとおもい浮かんだ。
真剣な顔で会話をする御剣の、両足の間に座り。 目が合うと、にっこりと笑みを返しやる。
そしておもむろに奴のズボンに手を伸ばして。

「!!………い、いや、何でもない。話を続けたまえ……」

音を立てないように気をつけて、チャックを下ろす。
すっかり固くなった奴自身を、指でそっと撫でた。そして、先端を口に含む。

「………ああ、聞いている……それで、証人は……」

頭の上から降ってくる御剣の声は相変わらずすましている。
反応を確かめるようにぼくは、硬くなったそれを一気に口の中に吸い込んだ。
男のココをこんなことするなんて…したことないけど。
同じ男だ。どこが一番、気持ちいいかなんて知りすぎている。
ちらり、と視線を上げると御剣はそ知らぬ顔で電話を続けていた。
悔しくなって、さらに深くくわえる。瞬間、喉を衝いてしまってむせそうになるのを辛うじて堪えた。

「……っふ、………」

やらしい事をしてるのは自分の方なのに、つい声が出てしまう。

「……んぅ……」

わざと音を立てながら、舌を使って愛撫する。
最初は嫌がらせのつもりだったのに、御剣の気持ちいい顔がどうしても見たくなって。
それでも御剣は電話を切らない。

(……ぼくって、下手なんだろうか……)

口を離して舌先で舐めみたり、軽く歯を立ててみたり、唇を尖らせて何度もキスしたり…
ひとり、試行錯誤を繰り返す。 だんだんと気が焦ってきて、 夢中で御剣を舐め続けた。
それでも、反応の返ってこないことが悲しくて。
口を外して、奴を見上げた。眉間にしわを寄せた、御剣と目が合う。

「…………後で掛けなおす」

やっと電話を切った御剣が、表情を変えずにぼくに手を伸ばした。
何だか自分がものすごく情けなく思えて、思わず目をつぶる。

「………成歩堂」

唾液で濡れた唇を、そっとなぞられた。

「それで仕返しのつもりか?」
「参った?」

目を開けると、御剣の額にうっすらと汗が浮かんでいるのが見えた。
どうやらぼくの腕(舌?)もまんざらでもなかったようだ。少し震える手で指を押し返し、無理に笑ってみせる。

「馬鹿な。仕返しとは、こういう風にするものだ」

両手で顔を包まれ、むさぼる様な口付けを受ける。最初から深く、そして激しく。
まるで御剣の性欲で、口をそのまま犯されているような。

「…んんっ…!…ッ…う…」

頬を撫でられ、唇で舌を遊ばれて。
目をぎゅっとつぶったまま、顔を上に向けることすらつらくなってきた。
力の抜けたぼくの身体を見て、ふっと御剣は笑う。

「……参ったか?」
「……参ってない」
「仕方のない男だな」

楽しくて仕方がない、という表情で御剣はぼくにのしかかってきた。
ぼくも手を伸ばして奴の背中を掴み、首筋に噛み付いてやった。
優しく触れるだけのキスを頬にされて、そのお返しに耳たぶを甘噛みして。
しばらくして、床の上に放っておかれた携帯電話が、再び鳴り出した。

お互いの身体に夢中なぼくたちに、その軽やかな音はもう届かない。


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


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狐と狸の馬鹿しあいって感じですね。
お互いの下半身しか見えてません。やだな、こんな弁護士と検事。
なるほどくんのご奉仕…いつもだったらテレで出来ない感じですが、 悪戯でしそう。
ミタンがお願いしても絶対しないけど、からかい半分で手を出すなるほどくん、萌え。
つーかミタン、フェラしたあとにディープキスとは。さすがだな。
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