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拳を握ると手首の傷と服がこすれ合って痛みを生んだ。 ■
「……人!……弁護人!」 瞬きをして顔を上げると、裁判長がぼくを見ていた。 「どうしたのですか?身体の調子でも?」 首を振って、慌てて答える。 「検察側も準備完了している」 正面から声がした。目が合ってしまって、思わずぎくりとする。目を細めて御剣は笑った。 (……ぼんやりしている暇はない。ここは法廷だ) しっかりしろ。ぼくがこんな様子だったら裁判はどうなる?被告は…… 「では、開廷します。被告人、前へ」 一人の男が係官に連れられてきた。ぼくは気持ちを落ち着かせ、彼を見る。 (被告は、無罪なんだから) ・ 「被害者と被告は、過去に交際しており……」 書類を叩きながら、ぼくは尋問を始めた。 御剣がぼくの反対の位置から、じっとぼくを睨む。 (気持ち悪い……) 口の中が、カラカラだ。ぼくは新人じゃない。もう何回もここに立ってるというのに。 「被害者が被告と交際していたのは、一年以上前のことだ。 息を吐きつつ、ぼくは口を開く。 「被害者は、被告を部屋へ招きいれ」 「特に追い返すようなこともせずに、しばらく会話を続けて」 「被害者は、被告を……」 (違う!) 「では弁護人はこう主張するのか……被害者は自ら望んで被告と関係を持った、と」 ぼくの言葉を遮り、御剣が結論を口にした。まるでぼくを、せせら笑うような表情で。 (違う、違う違う!!) 脳裏にフラッシュバックする光景。 御剣の目。御剣の声。頭の中で鳴り響く警告音。 『……み、御剣ッ!?』 昨日の夜の、ぼくの悲鳴。 「………ひ、こくは………」 ぼくは弁論を続けようとした。でも、できなかった。 「弁護人?どうしましたか?」 裁判長の声。被告の目。検察官……御剣の、ぼくのすべてを見透かすようなその表情。 「弁護人……?成歩堂くん?」 御剣が口を開いた。 「どうやら弁護人は体調が優れないようだ。裁判の延期をお願いしたい」 振り絞って出した言葉は、御剣に一蹴される。ぼくは唇をかんで御剣を睨み返す。 「すまない、言葉が過ぎたようだ」 あまりの物言いを咎めるかのような裁判長の視線に気づき、御剣は俯いて謝罪した。 「弁護人、体調不良のためこの審議は一旦終了いたします。では、閉廷!」
「なんだ、あのざまは」 ふらつく足をどうにか動かし、法廷を出た直後。 「…………ッ!」 反射的に腕を振り払う。ぼくの行動を予想もしていなかったのだろう。 「………………君、が…」 ろれつが回らない。気持ち悪い。口の中に、何か悪い薬でも入れられているみたいだ。 「……君が悪いんだよ!君のせいで、ぼくは……」 抵抗するまもなく腕を掴まれ、近くの控え室へと引きずりこまれた。 「はなせッ!」 掴まれた手首が痛い。昨日つけられた傷が。つけたのは間違いなく、目の前のこの男。 「君がぼくの中にっ……!」 忘れもしない。 「全部、出したのに」 「私のせいだというのか?……君の中に、昨日放ったものが残っていたから……?」 指で耳をなぞられた。全身に鳥肌が立つ。 「触るな!」 信じられないくらいの素早さで、御剣はぼくの衣類を引き摺り下ろした。 「やだッ……!み、御剣っ…!」 びくりと身体が大きく震える。ぼくの固まった身体に、御剣が無遠慮に指を差し入れた。 「ひッ……あ!!」 うまく呼吸が出来ない。痛い、痛い。 「……もう自分でやったのだろう?私が手を貸すこともあるまい」 いつの間にかネクタイも解かれて、露わになった首筋に御剣は噛み付いてきた。 「やめ……っ!…っ!…」 後ろから抱え込まれるように捕らえられ、ぼくは壁にしがみつく。爪が壁に食い込む。 「い、痛い、いたい…っ!…ぁ…っ…」 次第に頭がぼんやりとしてくる。 「……欲しがっているようだな、君も……」 耳に注ぎ込まれる、御剣の低い声。 「成、歩堂……」 名前を呼ばれ、少しの間の後。腰を掴まれ、引き寄せられる。 「やだ、いやだっ!御剣!嫌だ……っ!!」 昨夜の恐怖が蘇る。ぼくは全身の力を込めて抵抗した。 「な、なかに出すのは、やめてくれ……頼むから」 短い返事とともに襲ってくる、すさまじい圧迫感。ぼくは顔を歪ませて御剣を受け入れた。 「……ああっあッ!!」 ここがどこなのか、今自分たちが何をしているのか。 「……本当に…傑作だな、君は……クッ…!」 いつだか法廷で言われた言葉を耳元で囁かれた。 「んっ…御剣…っ…」 急激に、頭の片隅に昨日のことが思い出された。 「!……あ、あ、いや、だ、待っ…!」 力を込めた爪が、小さな音を立てて壁に食い込む。痛みなんて感じなかった。 「……あ…っ…あああッ!!」 瞬間的に、目の前が白く弾ける。 「………ん、はぁ……」 息をして目を閉じると、溜まっていた涙が一筋だけ頬に落ちた。 ───中で出さないって言ったのに。 そうやって責めることすら出来ずにぼくは。 「………うそつき………」 そう一言呟くだけで、精一杯だった。
「………すまない」 服を整えながら、御剣はそう呟いた。 「………何が、すまないの?」 ぽつりと問いかけた瞬間。
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な、中出し…しかも裁判所… でも誰にも見つからない…不思議な空間…ビバヤオイ空間! 裁判中にエチーを思い出して なるほどくんドキドキ★という 感じで書いてたのにいつの間にか無理矢理に。 おっかしいなぁ。 |
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